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250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

カテゴリー │お寺

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

 店舗名  穗城會館(ティエンハウ宮)
 住所  714/3 Nguyễn Trãi, phường 11, Hồ Chí Minh 
 営業時間  6:00 - 17:30
 定休日  なし
 使用可能な言語  ベトナム語
 支払方法  現金
 トイレ  あり

※当記事は、2017年8月現在の情報に基づいており、現在では異なる場合がございます。

ホーチミンのチョロン地区、別名チャイナタウン。ここには7つの歴史的寺院があり、チョロン地区の代表的な観光地のひとつとされています。

なんでチョロン地区にチャイナタウンがあるの?という疑問に対しては、チョロン地区の歴史的背景をさかのぼることですんなりと理解することができます。現在ホーチミンには50万人ほどの華人が住んでいると言われていますが、実は華人とベトナムには切っても切れない縁が存在していているのです。その歴史は17世紀末にまでおよびます。

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

17世紀末、中国の滅亡した王朝「明朝」の臣下が船に乗ってベトナムへ亡命を求めました。その人数は3000人ほどとされており、ベトナムの半独立国家「広南国」がそれを受領したことが、華人とベトナムの結びつきの始まりとされています。

そして時は経ち1778年、ビエンホア(ベトナムドンナイ省)の華人が西南朝(1778年から1802年までベトナムに存在した王朝)からの攻撃によって国内で難民となり、チョロン地区を自らの居住地として住み始めることを迫られました。これがチョロン地区にチャイナタウンが生まれたきっかけと考えられます。

そこからさらに時は経ち、1975年をまたぐころにはすでにチョロン地区に70万人の華人が住んでいたと言われています。当時、ベトナム南部には120万人の華人が住んでいたことを踏まえると、およそ58%の華人が限られたチョロン地区に住んでいたことになります。そのため、華人にとってチョロン地区とは、長い間の住居地としての役割をはたす歴史深き大切な地であることをお分かりいただけるかと思います。この歴史的背景からか、チョロン地区を歩いていると、華人の方々の歴史的痕跡がいたる場所に残されていることに気づくことができます。

ベトナムと中国がミックスされた独特な雰囲気こそが、ここチョロン地区の最大の魅力とも言われているんですね。

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

そして今回ご紹介するものが、上記のような歴史的背景によって作られた建造物である「寺院」。この寺院が建てられた目的は、もちろん寺院本来の目的として、礼拝の対象を祀るためです。しかし、それだけではありません。

寺院は華人同士の集会所としての機能もはたされていたのです。華人たちの出身はさまざまで、多様性に満ちています。そのため、この多様性を維持するためにも、寺院という集会場を介することによってコミュニティー関係を保っていたのです。

また、寺院に訪れたのであれば気づくと思いますが、どの寺院にも併設の学校を見かけます。寺院の前面の庭では学生たちが元気よく運動をしていますよ。

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

華人たちは、コミュニティーの場として様々な華人の集まる寺院そのそばに、あえて学校をつくりました。子供を通わせる際の利便性や安全を確保を考慮してのことかもしれません。また、お賽銭箱のお金は、どうしてもお金がなくて学校に通えない子供や貧困にあえぐ方々のためにつかわれます。僕がこの寺院を作ったすべての目的を知ったとき、その綿密に組まれた計画に驚きました。さすがは「東洋のユダヤ人」と評される華人ですね。

チョロン地区にある寺院は全部で7つですが、華人たちの壮絶な歴史を踏まえた上で見に行くと、その強烈な意思や思いを感じ取ることができるかもしれません。

それでは、今回はそのうちの1つ、「穗城會館(ティエンハウ宮)」をご紹介します。


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外観

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

穗城會館(ティエンハウ宮)は「緑」を基調とした外観になっています。そのため、少々落ち着いた雰囲気を感じる取ることができますね。

なお、この寺院は7つの寺院の中でも比較的たくさんの観光客や仏教徒が訪問するとのことで有名です。ガイドブックに掲載されているチャイナタウンの寺院の中でも、この寺院がよく取り上げられます。そのためでしょうか、チャイナタウンの寺院に特有の、螺旋形の線香がものすごくたくさんありました。

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

どこのチャイナタウンの寺院にも共通するのですが、この寺院のような明らかな中華風の建物に対して、その周辺の街中はごく普通のチョロン地区です。チョロン地区特有のバイクと建物の中から突然このような寺院が現れるため、初めて訪れる観光客にとっては少々奇妙に映るかもしれません。

また、場所としてはハオチュン会館からグエンチャイ通りを東へ5分ほど行ったところにあります。グエンチャイ通りとはベンタイン市場から伸びるチョロン地区のバイパスとも言える道路です。

寺院の中

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

ものすごい数の螺旋状の線香が天井に吊るされています。そのため、この下を通過する際にはたくさんの灰が落ちてきますので気をつけてください。

また、チョロン地区のチャイナタウンの寺院に来るとこのような螺旋型の線香を頻繁に見かけます。大きいのもはなんと1ヶ月も燃え続けるとのことです。この線香に火がついている間は神との交信が可能となると伝えられています。そのため、なるべく長く燃え続ける線香を追求した結果このような螺旋形になりました。多くの方の願いを乗せている線香です。

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

購入して火の付いた線香は上の写真の左上のように天井に吊る下げられます。現在では20,000ドン(約100円)で2週間吊るしてもらえます。ただし、値段は寺院によって異なるので気をつけてください。もしも線香を吊るす場合は、以下のようにまずは赤い御札にお名前と願いを書きましょう。

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

こちらの穗城會館(ティエンハウ宮)では以下のようなカウンターで願いを書きます。また料金は20,000ドン(約100円)です。

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

この御札には、「合家平安」、「萬事如意」、「生意興隆」、「貴人扶助」の4つの文字がかかれており、自分の願いにあったものに丸をつけます。こちらの文字の意味として、左から、「家族の平和」、「自分の願いを叶える」、「商売繁盛」、「誰かに助けてもらう」となります。自分の願いと一番あったものを選びましょう。

そして、この御札を螺旋線香につけることで、神に願いを届けることが可能です。

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

また、寺院を周っていて感じるのが、色が全体的に落ち着いているなと言うことです。中華風の寺院は黄色や赤で派手にする寺院が多いのですが、こちらは暗い色が多いです。そのためか寺院内のたくさんの煙とあいまって7つの寺院の中でも独特の落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

また、こちらの寺院で祀っている神は航海と漁業の女神である媽祖(まそ)です。媽祖(まそ)を祀る寺院は他にも「溫陵會館(オンラン会館)」が挙げられます。上の写真には天后聖母と書かれていますが、天后聖母とは媽祖(まそ)のことを言います。

媽祖とは、航海・漁業の女神とあるように海をわたる人、また漁業をする人のための守護神として、中国の沿海部をベースに広がる道教の女神です。また、媽祖の尊号として「天后」がつけられており、実はもっとも地位の高い神とされています。

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

また、この海の守り神であるもっとも位の高い媽祖(まそ)は、中国の宋の時代に実在した官吏の娘とされています。宋は西暦で960年 -~1127年ですので1000年前に生まれたということになります。

この娘の名は黙娘といい、福建省興化府の官吏である林愿の7人目の娘として誕生しました。幼い頃から才覚に優れており、また信仰心もかなり高かったといいます。そして黙娘が16歳の頃に、村人の病気を不思議な力によって治療したことにより村人から崇められはじめました。

しかしながら黙娘が28歳になると父が難破にあったとの報告を受け、深い悲しみに陥ることとなりました。それ以来、黙娘はたびに出ます。そしてついには峨嵋山の山奥で仙人のはからいによって神になったとの伝承が残っています。

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

また、穗城會館(ティエンハウ宮)は1760年に創建されました。チョロン地区のどの寺院よりも歴史が長い寺院となっています。そして、中国の広東省の出身者のための集会所としての役割を果たしているのが現状です。

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」
250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」
250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」
250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」
250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

他にも様々な仏像や彫刻が展示されています。他にも「絵」や「書道」も展示されていました。

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」
250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

寺院内にたくさんの机とテーブルがあるので休憩ができますね。当然ながら寺院内にはクーラーなどありません。しかし、ホーチミンの平均気温は年間を通して27度と高温です。そのため、このような休憩所をうまく活用しつつ、熱中症に気をつけて観光することをオススメします。

また寺院内にトイレはあります。また、【無料Wi-Fi】はありません。そして、英語は全くと言っていいほど通じませんので気をつけてください。

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」

 店舗名  穗城會館(ティエンハウ宮)
 住所  714/3 Nguyễn Trãi, phường 11, Hồ Chí Minh 
 営業時間  6:00 - 5:30
 定休日  なし
 使用可能な言語  ベトナム語
 支払方法  現金
 トイレ  あり

※当記事は、2017年12月現在の情報に基づいており、現在では異なる場合がございます。



この記事を書いた人

250年の歴史を持つ最古の寺院「穗城會館(ティエンハウ宮)」
  田中さん(20歳)伊豆半島出身
  ベトナムにてインターン中の大学生
  旅が好き!
  ブログ:http://tantan1048.hamazo.tv/




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