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16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

カテゴリー │お寺

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

 店舗名  溫陵會館(オンラン会館)
 住所  802 Nguyễn Trãi, phường 14, Hồ Chí Minh16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」 
 営業時間  6:00~17:00
 定休日  なし
 通じる言語  ベトナム語
 トイレ  あり

※当記事は、2017年12月現在の情報に基づいており、現在では異なる場合がございます。

ホーチミンのチョロン地区、別名チャイナタウン。ここには7つの歴史的寺院があり、チョロン地区の代表的な観光地のひとつとされています。

なんでチョロン地区にチャイナタウンがあるの?という疑問に対しては、チョロン地区の歴史的背景をさかのぼることですんなりと理解することができます。現在ホーチミンには50万人ほどの華人が住んでいると言われていますが、実は華人とベトナムには切っても切れない縁が存在していているのです。その歴史は17世紀末にまでおよびます。

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

17世紀末、中国の滅亡した王朝「明朝」の臣下が船に乗ってベトナムへ亡命を求めました。その人数は3000人ほどとされており、ベトナムの半独立国家「広南国」がそれを受領したことが、華人とベトナムの結びつきの始まりとされています。

そして時は経ち1778年、ビエンホア(ベトナムドンナイ省)の華人が西南朝(1778年から1802年までベトナムに存在した王朝)からの攻撃によって国内で難民となり、チョロン地区を自らの居住地として住み始めることを迫られました。これがチョロン地区にチャイナタウンが生まれたきっかけと考えられます。

そこからさらに時は経ち、1975年をまたぐころにはすでにチョロン地区に70万人の華人が住んでいたと言われています。当時、ベトナム南部には120万人の華人が住んでいたことを踏まえると、およそ58%の華人が限られたチョロン地区に住んでいたことになります。そのため、華人にとってチョロン地区とは、長い間の住居地としての役割をはたす歴史深き大切な地であることをお分かりいただけるかと思います。この歴史的背景からか、チョロン地区を歩いていると、華人の方々の歴史的痕跡がいたる場所に残されていることに気づくことができます。

ベトナムと中国がミックスされた独特な雰囲気こそが、ここチョロン地区の最大の魅力とも言われているんですね。

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

そして今回ご紹介するものが、上記のような歴史的背景によって作られた建造物である「寺院」。この寺院が建てられた目的は、もちろん寺院本来の目的として、礼拝の対象を祀るためです。しかし、それだけではありません。

寺院は華人同士の集会所としての機能もはたされていたのです。華人たちの出身はさまざまで、多様性に満ちています。そのため、この多様性を維持するためにも、寺院という集会場を介することによってコミュニティー関係を保っていたのです。

また、寺院に訪れたのであれば気づくと思いますが、どの寺院にも併設の学校を見かけます。寺院の前面の庭では学生たちが元気よく運動をしていますよ。

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

華人たちは、コミュニティーの場として様々な華人の集まる寺院そのそばに、あえて学校をつくりました。子供を通わせる際の利便性や安全を確保を考慮してのことかもしれません。また、お賽銭箱のお金は、どうしてもお金がなくて学校に通えない子供や貧困にあえぐ方々のためにつかわれます。僕がこの寺院を作ったすべての目的を知ったとき、その綿密に組まれた計画に驚きました。さすがは「東洋のユダヤ人」と評される華人ですね。

チョロン地区にある寺院は全部で7つですが、華人たちの壮絶な歴史を踏まえた上で見に行くと、その強烈な意思や思いを感じ取ることができるかもしれません。

それでは、今回はそのうちの1つ、「溫陵會館(オンラン會館)」をご紹介します。


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外観

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

オンラン会館なのですが、現在(2017年9月時点)は工事中でした。修理、補強工事を行っているようです。完成予定はわかりません。しかし、工事をしているのはこの正面だけなので、中には問題なく入ることができます。また、仏像が設置されている場所では工事は行われておらず、平常通りですので安心してください。

また、7つの寺院は全て無料で入ることができます。ただし、閉まる時間が17時と、かなり早いので気をつけてください。僕が訪問した際にはちょうど17時だったのですが、管理人の方が正面の鉄格子を閉めようとしていたので、ギリギリ入れてもらうことができました。ちなみに出口は他にもありました。

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

なお、オンラン会館の場所に関しては、チョロン地区の普通の街なかにあります。いつもチョロン地区で見るような景色の中から突然中華風の寺院が現れるわけですので、はじめての方からすると少々異質に感じるかと思います。

ベトナム人がほとんどを占めるチョロン地区のなかでも、そこに住んでいる華人達が自らの存在を静かに主張しているかのような印象を受けました。

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

寺院の入り口では2017年9月時点では青いブルーシートがかかっておりちょっと入りづらい印象を受けるかと思いますが、問題なく入ることができます。看板には左と右の矢印がありますが、どちらからでも入場できます。

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

寺院正面の工事の写真です。普段は完成した寺院しか見ることができないので貴重な経験でした。断片的にしか見てないのですが、何か大きな工具を使っているわけではなく、どちらかというと手作業のような印象を受けますね。

ベトナムではこのような工事が一般的なのかはわかりませんが、少なくとも華人たちの祈りを捧げる集会所です。工事も慎重に行われているのではないかと思いました。

また、工事中なのでイマイチわかりにくかったかと思いますが、このオンラン会館は他の6つの会館の中でもかなり様々な色を使った派手な外装をしていることで注目を集めています。また看板にある金色の文字もかなり大きいので迫力が満点です。

内装

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

上の写真の通路を通って寺院の中へ入っていきます。黄色い壁といのもスゴイですね。なかなか派手です。アーチは緑色でこちらも派手です。

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

寺院の中へ入るとわかりますが、こちらのオンラン会館には16もの神が祀られています。これは他の寺院を訪れるとわかると思うのですが、かなり多いです。天后聖母や、観世音菩薩などが祀られています。

オンラン会館は「媽祖(まそ)信仰」が祀られた寺院とされています。媽祖とは、海をわたる時、また漁業をする時の守護神として、中国の沿海部をベースに広がる道教の女神です。要は人が海に関わる時の守り神ですね。オンラン会館で飾られる天后聖母がその媽祖(まそ)であるかと思われます。

媽祖の尊号として「天后」がつけられており、実はもっとも地位の高い神とされているんです。ひょっとしたら、この寺院がほかのものと比べてとりわけ派手なのは、媽祖がもっとも地位の高い神であるということと関係しているのかもしれませんね。

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

こちらの写真には「波 揚 不 海」と書かれています。右から読むと、「海で波が揚がらず」といったニュアンスを得ることができます。海に関わる人のための守り神であることがここからわかります。

また、この海の守り神であるもっとも位の高い媽祖(まそ)は、中国の宋の時代に実在した官吏の娘とされています。宋は西暦で960年 -~1127年ですので1000年前に生まれたということになります。

この娘の名は黙娘といい、福建省興化府の官吏である林愿の7人目の娘として誕生しました。幼い頃から才覚に優れており、また信仰心もかなり高かったといいます。そして黙娘が16歳の頃に、村人の病気を不思議な力によって治療したことにより村人から崇められはじめました。

しかしながら黙娘が28歳になると父が難破にあったとの報告を受け、深い悲しみに陥ることとなりました。それ以来、黙娘はたびに出ます。そしてついには峨嵋山の山奥で仙人のはからいによって神になったとの伝承が残っています。

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

また、このそばにいる二人の神なのですが、この二神はもともと悪神であったようです。しかし、媽祖によって説き伏せられ改心し、それ以来は媽祖の随神となったとのことです。

そしてこの寺院で祀られる神は16人。他にもたくさんの銅像があります。

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」
16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」
16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」
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16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」
16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」
16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

なお、オンラン寺院にトイレはあります。また、どの方にも英語は全く通じません。

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

また、チョロン地区のチャイナタウンの寺院に来るとこのような螺旋型の線香を頻繁に見かけるかと思います。大きいのもはなんと1ヶ月も燃え続けるとのことです。

この線香に火がついている間は神との交信が可能となるとのことです。そのため、なるべく長く燃え続ける線香を追求した結果このような螺旋形になったのでしょう。多くの方の願いを乗せた線香です。

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

購入して火の付いた線香は上の写真の左上のように天井に吊る下げられます。そして、この線香の下へ行くと大量の灰が振ってきますので注意してください。また僕は、店頭に吊り下げられている線香にすでに火がついていることに気づかずに触れてしまいい「あっつ!」となりました。注意してください。

現在では30,000ドン(約150円)で2週間吊るしてもらえます。もしも線香を吊るす場合は、以下のようにまずは赤い御札にお名前と願いを書きましょう。

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

この御札には、「合家平安」、「萬事如意」、「生意興隆」、「貴人扶助」の4つの文字がかかれており、自分の願いにあったものに丸をつけます。こちらの文字の意味として、左から、「家族の平和」、「自分の願いを叶える」、「商売繁盛」、「誰かに助けてもらう」となります。自分の願いと一番あったものを選びましょう。

そして、この御札を螺旋線香につけることで、神に願いを届けるようです。

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」

 店舗名  溫陵會館(オンラン会館)
 住所  802 Nguyễn Trãi, phường 14, Hồ Chí Minh16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」 
 営業時間  6:00~17:00
 定休日  なし
 通じる言語  ベトナム語
 トイレ  あり

※当記事は、2017年12月現在の情報に基づいており、現在では異なる場合がございます。



この記事を書いた人

16の神を祀る「溫陵會館(オンラン会館)」
  田中さん(20歳)伊豆半島出身
  ベトナムにてインターン中の大学生
  旅が好き!
  ブログ:http://tantan1048.hamazo.tv/




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