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土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」

カテゴリー │お寺

土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」

 店舗名  二府會館(オンボン廟)
 住所  264 Hải Thượng Lãn Ông, 14, 5, Hồ Chí Minh土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」 
 電話番号  028 3855 3187
 営業時間  6:00~17:00
 定休日  なし
 言語  ベトナム語
 支払方法  現金
 トイレ  なし
 WEB / FB  なし

※当記事は、2017年12月現在の情報に基づいており、現在では異なる場合がございます。

ホーチミンのチョロン地区、別名チャイナタウン。ここには7つの歴史的寺院があり、チョロン地区の代表的な観光地のひとつとされています。

なんでチョロン地区にチャイナタウンがあるの?という疑問に対しては、チョロン地区の歴史的背景をさかのぼることですんなりと理解することができます。現在ホーチミンには50万人ほどの華人が住んでいると言われていますが、実は華人とベトナムには切っても切れない縁が存在していているのです。その歴史は17世紀末にまでおよびます。

土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」

17世紀末、中国の滅亡した王朝「明朝」の臣下が船に乗ってベトナムへ亡命を求めました。その人数は3000人ほどとされており、ベトナムの半独立国家「広南国」がそれを受領したことが、華人とベトナムの結びつきの始まりとされています。

そして時は経ち1778年、ビエンホア(ベトナムドンナイ省)の華人が西南朝(1778年から1802年までベトナムに存在した王朝)からの攻撃によって国内で難民となり、チョロン地区を自らの居住地として住み始めることを迫られました。これがチョロン地区にチャイナタウンが生まれたきっかけと考えられます。

そこからさらに時は経ち、1975年をまたぐころにはすでにチョロン地区に70万人の華人が住んでいたと言われています。当時、ベトナム南部には120万人の華人が住んでいたことを踏まえると、およそ58%の華人が限られたチョロン地区に住んでいたことになります。※諸説あります。

そのため、華人にとってチョロン地区とは、長い間の住居地としての役割をはたす歴史深き大切な地であることをお分かりいただけるかと思います。この歴史的背景からか、チョロン地区を歩いていると、華人の方々の歴史的痕跡がいたる場所に残されていることに気づくことができます。

ベトナムと中国がミックスされた独特な雰囲気こそが、ここチョロン地区の最大の魅力とも言われているんですね。

土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」

そして今回ご紹介するものが、上記のような歴史的背景によって作られた建造物である「寺院」。この寺院が建てられた目的は、もちろん寺院本来の目的として、礼拝の対象を祀るためです。しかし、それだけではありません。

寺院は華人同士の集会所としての機能もはたされていたのです。華人たちの出身はさまざまで、多様性に満ちています。そのため、この多様性を維持するためにも、寺院という集会場を介することによってコミュニティー関係を保っていたのです。

また、寺院に訪れたのであれば気づくと思いますが、どの寺院にも併設の学校を見かけます。寺院の前面の庭では学生たちが元気よく運動をしていますよ。

土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」

華人たちは、コミュニティーの場として様々な華人の集まる寺院そのそばに、あえて学校をつくりました。子供を通わせる際の利便性や安全を確保を考慮してのことかもしれません。また、お賽銭箱のお金は、どうしてもお金がなくて学校に通えない子供や貧困にあえぐ方々のためにつかわれます。僕がこの寺院を作ったすべての目的を知ったとき、その綿密に組まれた計画に驚きました。さすがは「東洋のユダヤ人」と評される華人ですね。

チョロン地区にある寺院は全部で7つですが、華人たちの壮絶な歴史を踏まえた上で見に行くと、その強烈な意思や思いを感じ取ることができるかもしれません。

それでは、今回はそのうちの1つ、「二府會館(二府廟)」をご紹介します。


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外観

土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」

街なかを歩いていると上のような大きな門を見つけます。しかしながらこの門は常時閉まっているため、そばの別の入口から入ります。

入場料は無料です。他の6つの寺院もすべて入場無料です。また、バイクを停められる場所がありました。車は無理です。

土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」

敷地内に入ると、正面に寺院が。

土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」

荘厳なたたずまいをしています。

この寺院いついて

土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」

このお寺には本頭公(ベトナム語でオンボンと発音)が祀られています。しかし、この寺院は研究者のあいだでは、かなり異質で奇妙なお寺とみなされています。一体なにが異質なのかというと、その祀る対象であるオンボンです。

華人の出生は中国ですので、当然祀られる対象は中国にそのオリジナルが見言い出せるはずです。しかしながら、中国本土ではこのような神は存在していません。そのため、中国では祀っていない神を、この寺院では祀っているのです。

このオンボンはインターネット上では経済繁盛の神などと誤解されがちですが、立教大学の中西裕二氏によれば、いわゆる土地神とみなされ、ごく普通の神様とされています。しかし中国本土には存在しません。

土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」

この原因として、中国人研究者でさえ正確な理由を突き止めることができていないのが現状です。唯一考えられることとして、おそらく華人がこのチョロン地区へ住み始めた後に、新たに祀りはじめた神であるのかもしれないということです。

そしてさらに奇妙な点として、このオンボンがベトナムのチョロン地区だけでなく東南アジアの華人の住む地域の広範囲に渡って祀られていることが挙げられます。そして現在ではアメリカのテキサス州ヒューストンにもその神を見ることができます。

なぜ華人は新天地で新たな神を祭り始めたのか、という想像をしつつこのお寺を見て回るのも面白いかもしれません。

内装

土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」

室内は煙が一面に漂っています。薄暗く、落ち着いた雰囲気となっています。

土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」
土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」
土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」

室内は歩いて2分ほどで全てを周ることができます。しかし1つ1つの壁面や像にただならぬ空気を感じ、頻繁に足が止まります。

また、こちらのお寺にはトイレがありません。そして夕方の5時には締まりますので気をつけてください。

土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」
土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」
土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」

そして次の写真がオンボンです。

土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」

また、このオンボンは、13世紀末に元朝の使者としてメコン川を北上しカンボジアを訪れた周達観(しゅうたっかん)として祀られています。

引用:中国系パイオニアの多様なる神(2017)http://repository.tufs.ac.jp/bitstream/10108/65292/1/field-2_p07.pdf

以上が二府會館(オンボン廟)の紹介でした!

歴史的背景を知っておけば、さらに楽しく興味深く寺院を周ることができるのではないかと思います。もしも他の寺院についての記事もご覧になって頂けるのであれば幸いです。

 店舗名  二府會館(オンボン廟)
 住所  264 Hải Thượng Lãn Ông, 14, 5, Hồ Chí Minh土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」 
 電話番号  028 3855 3187
 営業時間  6:00~17:00
 定休日  なし
 言語  ベトナム語
 支払方法  現金
 トイレ  なし
 WEB / FB  なし

※当記事は、2017年12月現在の情報に基づいており、現在では異なる場合がございます。



この記事を書いた人

土地神を祀る「二府會館(オンボン廟)」
  田中さん(20歳)伊豆半島出身
  ベトナムにてインターン中の大学生
  見たこと感じたことを正直に書きます。
  ブログ:http://tantan1048.hamazo.tv/




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